2015/5/27 Wed

LINEを活用した企業のマーケティング (後編)

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田端 信太郎 氏

LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当

伊達 学

株式会社サイバーエージェント 執行役員 インターネット広告事業本部 統括

LINE株式会社より田端氏をゲストにお迎えし、LINEの広告商品について、企業のマーケティング活用の仕方や田端氏のビジネス構想、今後の展望などをお聞きする、当社執行役員の伊達とのインタビュー対談。
企業のマーケティングご担当者向けにLINEを活用したマーケティングのヒントとなる、本インタビューだからこそ聞ける内容を、ざっくばらんにお話しいただき、前編と後編に分けて内容をお届けいたします。

前編記事は【こちら】よりご覧ください。

LINE公式アカウントの、工夫の余地

伊達:LINEのサービスの今後の展望をお聞かせください。現在、LINE公式アカウントはいくつくらい開設されているのですか?

田端氏:日本国内では150アカウントほどですね。

伊達:当社でも、クライアント様のLINE公式アカウントを多く運用させていただいていますが、単にメッセージを送るだけではなくて、活用の仕方がまだまだあるのではないか?と模索している最中です。

やはり、“いかに運用するか”という点だと思っているので、「どう刺激を与え、どうユーザーを動かすことができるか?」という細かい運用を、当社のソリューションとしてしっかりと設計したく考えています。
クライアント様のLINE公式アカウントを開設する際には、「運用の強いサイバーエージェントに任せたい。」と、思っていただけるよう、ツールやサポートも含めてより完璧な体制を整えています。

田端氏:LINE公式アカウントの運用面において、私もまだまだ工夫の余地があると思っています。
一昔前、メルマガ広告が流行った時に、メルマガの制作代行を行うような会社が出てきましたよね。LINE公式アカウントの運用は独特なので、メルマガのノウハウのようにコピペしてそのまま発行するというわけにはいきませんし、ましてや、我々が個別に代筆するわけにもいきません。
LINE公式アカウントが出来てから3年ほどが経ち、各社の運用も、当初より随分良くなってきました。当初は、「季節の挨拶文はブロック率が上がるので、止めて下さい」などを纏めたガイドラインも作成していたんです。
3年が経った今でも、“どのように運用していくとファンがついてきてくれるか?”という課題にはまだ研究の余地があります。

コンテンツ性を高める“中の人臭”

田端氏:LINEの特性上、タイムリーさがとても強いので、小売店などにはもっと活用してもらえると思っています。分かりやすく言うと、スーパーのお惣菜の値引きのように、限られた在庫をどのタイミングでどのように値引きを行ったら、結果的に廃棄を出さずに済むか?といった観点でも十分に活かせると考えています。
単にコピーライティング的なセンスや、在庫の把握、需要予測のように、アナログな感性からシステマチックなところまで一気通貫してマーケティングを行い、最後に“出口として、LINEが存在する”というものだと思っているのですが、そこまで上手に活かしきれている企業はあまりないのではないでしょうか。

伊達:あと、メッセージの内容にも工夫が必要ですよね。

田端氏:はい。メッセージの内容も、もっと上手な活用の仕方があると思っています。ただメッセージを送るという発想から、連載小説風に仕立ててみたり、動画を埋め込んで、例えば連ドラのようになっているなど、伝える工夫はまだまだあると思います。

伊達:そのあたりは、当社ならではのデジタルエージェンシーとしての運用力を上手く投入し、バリューを創っていきたいです。

田端氏:そうですね、まだまだ工夫の余地があります。
例えば、コスメ系企業がLINE公式アカウントを開設する場合、ただメッセージ発信するのではなく、有名ブロガーやタレントさんを連れてきて、三ヶ月限定編集長に仕立ててみたりとか。

伊達:良いですね。LINE公式アカウント1日店長とかも。

田端氏:“中の人臭”があまりにも感じなかったり、コンテンツ性が弱かったりすると、せっかく開設しているのにもったいないと感じますね。

伊達:そうですね、そのあたりはもっと研究の余地があるので、我々ももっとチャレンジしていきます。

運用とコンテンツ面でみせる差別化

田端氏:タレントさんとの契約と紐付けていくといった例は、テレビCMも含めてかもしれないですね。例えば、auさんのCMには以前は、きゃりーぱみゅぱみゅさんが登場していますが、auさんの公式アカウントの「中の人」を、1日店長的にきゃりーぱみゅぱみゅさんが出てもいい。企業のイメージキャラクターになっているタレントさんを、上手に活用できるととても良いですよね。

伊達:Amebaのアルファブロガーなどの活用もいいですしね。そういった仕組みは当社の得意分野です。

田端氏:最近では、LINE公式アカウントの開設は当たり前になってきているので、運用やコンテンツ面における差別化が必要不可欠になってきます。
企業側においても、“アカウント開設するだけでは相対的な付加価値はもしかして下がってきているのではないか?”という危機感を、我々も抱えているんです。
同業他社がLINE公式アカウントを開設し始めているので、開設せざるを得ない状況、という部分もあると思います。
LINE公式アカウントを開設していただいた企業には、運用を行う中でよりプラスアルファのコンテンツや付加価値を乗せて、新しい世界観を演出していきたいと思っています。ですので、広告代理店さんにもぜひお手伝いいただきたいです。

伊達:コンテンツで付加価値を乗せていくことは大事ですね。例えば、LINE公式アカウント内で、何かコンテストや写真投稿を行ってみるなど。

田端氏:サマンサタバサ様は、そのような取り組みに積極的です。ミランダ・カー氏が来日した際に、成田空港から東京に来るまでの様子を、ライブアップデートを行いタイムライン上で中継を行うこともしました。

伊達:今後、それを動画としても活用できますよね。

田端氏:はい。動画も可能ですので、LINE LIVE CASTという動画を配信できる機能は、冠イベントなど様々な使い方があります。

LINE広告商品の構想とは

伊達:田端さんが、大々的に話すのは初めてで、まだメディアには語ったことのない、今後のLINEを活用した広告のお考えを是非教えていただけますか? 

田端氏:メディアにも大々的に話したことのないこと・・・(笑)。
LINEの広告商品であるスタンプや公式アカウントは、ターゲティングが出来ずにいるので、そこに関しては、マス広告的な世界観で広告販売を行ってきたいという自覚はとてもあるんです。
一方、フリーコインのようなCPI課金型の広告商品の需要も増しています。運用型のターゲティング商品や、継続的にPDCAを回していくような広告商品もやはり大事だと実感しています。

そして、講演会で登壇をした際など、今どこに行っても言われることがあります。講演会後にお客様から「LINEの広告出稿に興味あります」という言葉を個別に頂戴するのですが、その後に、「一番安い広告商品はいくらですか?」という質問に対し、「LINEのダイレクトスタンプで1,000万円からです。」とお答えすると、言ったらその瞬間からみなさんの「こりゃ、無理だわー」という空気感がビンビンと伝わってきて・・・。

LINEの広告商品は、LINE@の無料や5,000円のメニュー、もしくはLINEスポンサードスタンプの3,000~4,000万円か、といった両極端なラインナップになっており、この中間の100~300万円あたりの商品が今はないんです。よく、お客様からもそのレンジの商品はないのかと質問をいただきます。その価格層ってネット広告において一番ど真ん中の価格帯ですが、LINEの広告商品は大きく上下に外れていて(笑)。
ですので、商談の規模感的にも、よりミドルレンジの広告商品も必要だと感じています。

伊達:それはとても良いですね。ミドルレンジの広告商品と、ターゲティングでユーザーを絞ることによって、単価を抑えるイメージですか?

田端氏:そのイメージもあります。ただ、最後どう設計するかはまだ煮詰まってはないです。LINE@の解放は、そこに向けての布石です。

田端 信太郎 氏

LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当

1975年10月25日 石川県生まれ 1999年3月 慶應義塾大学 経済学部卒業 株式会社リクルートにて、フリーマガジン「R25」の立上げを行い、創刊後は、広告責任者を務める。その後、株式会社ライブドアにて、ライブドアニュースの責任者を経て、執行役員メディア事業部長に。ポータル、ニュース、ブログなど広告を主な収入源にするメディア事業部を統括し、ライブドアのメディア事業の再生をリードした。 2010年5月 コンデネット・ジェーピーにて、カントリーマネージャーに就任。ウェブ部門を統括。 2012年6月 NHN Japan株式会社(2013年4月LINE株式会社に商号変更) 執行役員に就任。広告事業部門を統括。 2014年4月 LINE株式会社 上級執行役員 法人ビジネス担当に就任。法人ビジネス全般を統括。現職。

伊達 学

株式会社サイバーエージェント 執行役員 インターネット広告事業本部 統括

2002年 株式会社サイバーエージェントに入社。入社以降インターネット広告事業に従事し、現在は統括を務める。 2014年 執行役員に就任。

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