2016/3/16 Wed

【現地リポート:2】今年30周年の「SXSW 2016」が注目される理由

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SXSW Interactive Innovation Award Showcase

SXSWインタラクティブ・イノベーション・アワードは、その年の様々な革新的なアイデアを評価する、新興企業の登竜門といった位置づけのアワードです。
このアワードを含めSXSWがきっかけとなり世界に急速に広まったサービスは多くあります。2007年にはTwitter、2011年にはAirbnb、2012年にはPinterestがSXSW内のアワードを受賞し、それが契機となり一躍有名になったと言われています。また余談ですが、UberはSXSW参加者に対する無料送迎サービスを実施したことが話題を呼びました(現地でもUberはサービスとして根付いており、大活躍でした)。
2015年からは名称も変更し、ユニークなビジネスイベントのSXSWらしさが強くなったようです。
65作品に選定された今年のファイナリストのShowcaceを体験しましたが、各サービスで共通するポイントは、デジタルだけで完結する作品は少なく、「デジタルとフィジカル」を融合した作品が多かったことです。もう一つのポイントは、作り手の「想いや情熱」が乗っていることを強く感じたことです。

アワードのカテゴリーは13個に分かれており、作品の切り口も多岐に渡っています。社会貢献分野、ファッション分野、ミュージック分野、エンターテイメント分野、広告分野、教育分野、ヘルスケア分野、VRや音声認識やドローンやセンサーなどを活用したテクノロジー分野など細かくカテゴライズするときりがないほど多彩です。

SXSW Interactive Innovation Award 13個のカテゴリー

・HEALTH, MED & BIOTECH
予防から医療現場そしてケア領域におけるビジネス/プロジェクトの部門です。

・INNOVATION IN CONNECTING PEOPLE
ソーシャルネットワーク等、人と人とのつながりをつくるビジネス/プロジェクトの部門です。

・INNOVATIVE 3-DIY
3Dプリンティングをより身近にしたビジネス/プロジェクトの部門です。

・MUSIC & AUDIO INNOVATION
音楽をもっと楽しむためのサービスやデバイスを讃える部門です。

・NEW ECONOMY
シェアリングエコノミーや仮想通貨など、今までの経済の仕組みを変えるビジネス/プロジェクトの部門です。

・PRIVACY & SECURITY
新設されたプライバシー&セキュリティ部門。個人データ、プライバシーを守るための新しい仕組みの部門です。

・RESPONSIVE DESIGN
インタラクティブデバイスにおいて機能的で美しいデザインの部門です。

・Scifi No Longer
SFの世界を現実化してしまうくらい影響を与えるサイエンスの部門です。

・SMART CITIES
IOTなどのInternet of Everything時代に向けての部門です。

・STUDENT INNOVATION
未来をつくる学生発のプロジェクトの部門です。

・VISUAL MEDIA EXPERIENCE
魅力的なエンターテイメントを提供するビジネス/プロジェクトの部門です。

・VR & AR
ARとVRにおいての真のブレークスルーを評価する部門です。

・WEARABLE TECH
より自分に“フィットする”新しいハードウェアを讃える部門です。


SXSWインタラクティブ・イノベーション・アワード2016の受賞作品は3月15日(現地時間)に発表されますが、一足先に個人的に注目したファイナリストの皆様をご紹介できればと思います。

Milbox Touch

日本勢で唯一ファイナリストとなっているのが「みるボックスタッチ(Milbox Touch)」です。
スマートフォンをセットしてバーチャルリアリティ(VR)映像が見られる紙製ゴーグルを活用した「VR&AR(拡張現実)」です。特徴は導電性インクを用いたタッチインターフェースを搭載していることで、視聴中にスマホを操作できる点です。体験しましたが本当に素晴らしかったです。
装着しているゴーグルの電導シール部分を指でなぞるだけで、自分が見ているVR空間を、直感的に操作できます。
http://milbox.tokyo/milboxtouch/

LISNR

様々なデバイスで流れる動画映像とスマートフォンを連動させる技術です。
人には聞こえない「透かし音」を採用した番組や、専用のスピーカーシステムを導入すると、映像と連動したクイズがスマホ上で展開することができるサービス。
http://lisnr.com/

TORCH

ファミリーや教育現場向けのWi-Fiルーターです。
特徴は子ども達が誰がいつ何を見たのかをオンラインで管理でき(有害サイトのブロックなども可能)、またご飯の時間や就寝時間などオンラインが必要ない時間帯には自動的にオフライン設定することができます。
https://mytorch.com/

SXSW TRADE SHOW

SXSWトレードショーではフィルム、音楽、インタラクティブにまつわるプロダクトが世界各国から200以上出展しており、来場者に対して新しい接点と発見を後押しするイベントとなっています。

SXSWトレードショーは大きく以下の7つのセクションに別れています。

・COME & CAPTURE(デジタル映画制作機材関連の展示)
・MEET UP PAVILION(交流の場所)
・BAR & LOUNGE(休憩所)
・DIGITAL MUSIC LOUNGE(音楽関連の展示)
・FUTURE OF FOOD(未来の食料の展示)
・SPORT SPOT(スポーツ関連の展示)
・INTERNATIONAL PAVILION(各国の交流場所)


さらにこの7つのセクション以外にも、プロダクトをアピールすることができるPITCH STAGEというショーケースや、未来のプロダクトに対するアドバイスの講義が受けられるNEXT STAGEというショーケースなども充実しており、出展者とユーザーが密にコミュニケーションをとれるような仕組みが数多く組み込まれています。
日本からもたくさんの企業が出展をしていました。

①靴の中敷×IoT「interactive shoes hub」
「靴の中敷から人々の生活を支えていく」というテーマで、2020年の東京オリンピックに向けてユーザーを健康的かつアクティブなキャンペーンに巻き込める可能性を秘めています。

②洋服×モーションキャプチャー「e-skin」
簡単にモーションキャプチャー動画が撮影可能になることで、今後動画の時代が来ると言われている中で内容の幅を大きく広げる可能性を秘めています。

③携帯×リサイクル「phonvert」
使用済みの携帯電話がリサイクルによって新しい形に生まれ変わることで、新しいデジタルサイネージを作成するなどリアルとデジタルの体験をユーザーに与えることができる可能性を秘めています。

④音楽×モーションデータ「MOTION SCORE」
CGキャラクターやロボットの動きのモーションデータの編集が円滑になり音楽との親和性も高まることで、新たなライブ演出や、動画の幅が広がる可能性を秘めています。

⑤スピーカー×歌詞「Lyric Speaker」
流れる音楽の歌詞がスピーカー上に表示されることで、リアルイベントなど臨場感の溢れる場所での演出を盛り上げる可能性を秘めています。

⑥スイッチ×IoT「eny」
電池不要で、シンプルなスイッチひとつで電化製品を起動できることで、今後高齢者や小さい子供をターゲットとしたキャンペーンなどへの参加ハードルを低くできる可能性を秘めています。

SX Create

SX Createは、右脳と左脳を刺激するメーカーズイベントです。特に未来を担う子ども向けのサービスやプロダクトが体験展示されていることが特徴です。
展示されているサービスやプロダクトは、最新デジタルテクノロジーを活用した体験型のデジタル玩具が多く見られました。会場に入ると子どもが目を輝かせ、デジタル玩具で当たり前のように楽しんでいることが印象的でした。この世代は超デジタルネイティブ層で、まったく抵抗無く、むしろ「そうじゃないと楽しくないよ!」という声があったことも印象的でした。
一例を挙げると、バナナを触るとピアノのように音が出る仕組みのプロダクトや、ゲームの「マリオブラザーズ」を身体を動かして体験できるモノや、最新ドロイド技術を用いたスターウォーズに登場するR2-D2なども体験展示されていました。
子どもや、子どものいる親に向けたコミュニケーションデザインを設計する際は、「遊びに関するデジタルリテラシーがかなり高い。」という、これらの感覚を踏まえる必要が大いにありそうです。



--次回に続きます。


筆者:株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
クリエイティブ・テクノロジー局
局長 二宮 功太 / プランナー 並木 玲旺奈



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