2016/2/9 Tue

【特別対談】効果を出すアフィリエイト広告運用(3)対談:ザイオンライン 浜辺氏

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浜辺 雅士(はまべ まさし) 氏

株式会社ダイヤモンド社 雑誌編集局 局次長 兼 『ザイオンライン』編集長 兼 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ常務取締役WEB編集部プロデューサー

手塚 太一(てづか たいち)

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 局長

効果を出すアフィリエイト広告運用 (3) -「ザイオンライン」浜辺氏 特別対談-

アフィリエイト広告の現状や活用についてお伝えしていく本コラム。
第3回は、金融系メディア「ザイオンライン」を運営する、株式会社ダイヤモンド社の浜辺氏に、当社アフィリエイト局 局長の手塚が、媒体運営の方針や広告の活用方法、また今後の展望について伺いました。

ウェブメディアと雑誌の運営における共通点と相違点

CA手塚:御社はウェブ事業だけでなく雑誌も代表的な事業だと思います。浜辺さんのこれまでのご経験をふまえた上で、ウェブメディア「ザイオンライン」の運営は、雑誌と比較してどのような違いや成功ポイントがあるのでしょうか。

浜辺氏: 私が所属するのはダイヤモンド社雑誌編集局です。もう30年以上紙の雑誌を編集する仕事をしてきた“ベテラン雑誌編集者”ということになると思います。ダイヤモンド社の創立は大正2年ですから、紙の雑誌については100年以上やってきたわけで、会社も私もいわゆる“老兵”ですね(笑)。
 しかし、ウェブに関しては7、8年程度の新参者です。雑誌とウェブでは共通点もありますが、雑誌で成功したやり方がそのままウェブで成功するということは必ずしもなく、苦労も重ねてきました。苦労しているポイントは「マネタイズをどうして行くか?」につきます。マネー分野のコンテンツ作りは長年やって来たので、ある意味“お手の物”なのですが、紙の媒体のように読者が本屋さんでお金を出して買ってくれるわけではなく「無料で読む」ということが前提になっているので、マネタイズが簡単ではありません。その点については今も日々悩み続けているところですね。

CA手塚:マネタイズの部分は、ウェブと雑誌ではできることが大きく違いますよね。御社のウェブメディアは、金融ジャンルをメインに運営されていますが、そのジャンルにおいて、違いをふまえた上で意識されているポイントはありますか?

浜辺氏:ウェブも雑誌同様に、ユーザーの関心やニーズは日々変わっていきます。例えば世界的に影響の大きい事件が起こったら、「ドルはどうなるんだろう?」「この企業の株を持ってるけど大丈夫なのかな?」「今、株を買ったらどうなんだろう?」とか。
 「ユーザーは今、どんな記事を読みたいだろうか?」「僕らはメディアとして何を提供できるだろうか?」ということを真摯に考えていく。それだけは間違わないようにしようということは常に意識して運営してきました。
CA手塚:今やユーザーの身近にウェブがあり、ユーザーの情報取得の仕方が変化しているので、ニーズも日々変化していますよね。

浜辺氏:そうですね。昔は、雑誌編集部というメディア側が様々なジャンルの中から今月のテーマを決めて編集し、発売日に書店に雑誌を並べる。読者は雑誌以外に情報を取得する方法がなかったため発売日を楽しみにして待って、本屋さんに並んでいる雑誌を買ってそれを読む、というのが普通でした。ウェブでも多少同じ面は持ち合わせながらも、今は読者が自由に情報を選択できるようになっています。突然疑問が出てきた時に、どこにいてもすぐに情報を取得することができます。その要望に瞬時に応えることができるのは、雑誌ではなくウェブですよね。
 あとは、雑誌の場合、その月にすごいコンテンツを出しても、1カ月経ったら消えてしまいます。それに対してウェブでは、Googleによって記事がインデックスされ永遠に格納されている。“擬似的に”ですが…。インターネットというのは「Googleによってインデックスされた文章が永遠に格納された倉庫」のようなものです。ユーザーはその時々の自分のニーズによって探しに行きます。検索窓にキーワードを入れれば、そのワードにフィットした記事が瞬時に出てくる。
 インデックスされているというのは、例えば「マネー」というカテゴリがあって、「マネー」の下に「株」や「為替」、さらに「株」の下には「チャート」や「株入門」など様々なものがツリー状に格納されているような状態です。我々の記事のクオリティが高ければインデックス上の良い位置に納めてもらえるという仕組みになっているんです。もちろん、内容が古くて現状と合わなくなったものは良い位置には置かれませんが、クオリティが高いものは、ずっと良い位置に存在し続けます。
 メディア側が選んで作り上げたものを発売日に一度発信して終わりではなく、作ったコンテンツの積み重ねが重要で後々強力に効いてくる、それがウェブの大きな特徴だと思います。

「ザイオンライン」の検索流入が多い理由

CA手塚:御社のサイトはSEOで非常に多くのユーザーを流入させていると思いますが、SEOでサイト上位に表示させるために、何か特別な施策はされていますか?

浜辺氏:現在の「ザイオンライン」「ザイFX!」は、SEO経由でユーザーの流入が増えていますが、当初我々はSEOを意識してコンテンツを作っていたわけではありません。
 我々は読者の要望に応えてコンテンツを作るということを愚直にやってきただけなのですが、その結果がGoogleの方向性と同じだったんだと思います。おそらくGoogleも、「ユーザーは今、何を求めているのか?」ということに対してズバリ結果を出すということを真摯に追求してきていて、そのキーワードに対しての答えが、僕らの記事にあっただけなんだと思います。試しに「FX トルコリラ」「FX mt4」など、FX関連の複合キーワードを検索窓に入れてみてください。特に何か狙って対策を行っている訳ではないのに、いい位置に我々の記事が出てくると思います。我々自身把握していないような様々な関連キーワードで高順位で表示されていて、それらから大量に流入があり、そのCV率が驚くほど高いという経験をしています。Googleの精度は年々上がってきておりそれに伴って我々の収益も向上してきています。たぶんGoogleはユーザーの「こういう投資をしてみたい」「こういう金融商品が買いたい」という欲求に年々正確に捉えられるようになってきていて、その答えを出す記事を我々が作れている…という事なんだと思います。あるキーワードをターゲットにして記事を作っていく、あるいはリスティングで買うというタイプのものとは全く反対の方向性が根っこにある点が我々の強みだと思います。

CA手塚:なるほど、それは面白い例ですね。数年前に書いた記事が突然上がってきて、そこから流入が増えることもありますか?

浜辺氏:たくさんありますね。数年前に書いた記事から大量の流入が来て要因を調べてみると、あるキーワードの検索ボリュームが上がっていて、その記事はそのキーワードの検索結果において、ずっとひっそりと1位にあったんです。

CA手塚:狙って獲得するのではなく、ウェブサイトを運営してきた積み重ねによってクオリティの高い記事が多くあるので、何かのタイミングで事例と共にあるキーワードの検索ボリュームが増えた時に検索結果の上位に出て、今の「ザイオンライン」の流入のベースを作っているということですね。
浜辺氏:広告主からも、「ザイオンライン経由で獲得したユーザーのLTVが高い」といった高い評価はよくいただきます。例えばクレジットカードであれば決済金額が多いとか、証券やFXであれば取引額が高いとか、長く取引し続けるといったことです。そうなると当然広告主からは、「ザイオンラインでユーザーをもっと獲得したい」というご要望が多くなります。

CA手塚:お話を伺っていると、媒体の思想として、読者が気になる記事が何なのかを真摯に模索をしている中で自然に広告主企業の目標にも寄り添っている印象を受けましたが、そのような広告主企業のリクエストに対して直接的に応えることはあるのでしょうか。

浜辺氏:広告主から「どうしたら人気が出るのか?」「ユーザーは何を求めているのか?」と聞かれることがよくあります。その際には「そのようなユーザーを獲得したいのであれば、商品のこの部分は絶対にこだわった方が良い」「サービスをこのように変えたほうが良い」といった意見をし、そのように変えたらヒットしたということを何度も経験しています。
 そういう例がたくさんあるからこそ、「うちでこういうことができます」ではなくて、「御社のサービスをこのように変えた方が良い」という対話になります。広告主側がそういった読者が注目するようなポイントを作れるのであれば、メディアの方向性にも合うので、そのポイントを良い記事にすることができます。

「ザイオンライン」の運営方針と今後

CA手塚:いろいろなお話を伺ってきましたが、最後に「ザイオンライン」の運営における方針をお聞かせください。

浜辺氏:まず、「ザイオンライン」「ザイFX!」の運営において質と量の両方を担保する仕組みを考えているものの、やはり質を重視しています。読者の興味に寄り添いながらも、中立性は保ち、しっかりバリューがある記事を書く事。文体は新聞記事のように堅い感じではないけれど漫画みたいに砕けすぎてもいけない。柔らかくまじめに書いています。そういった独自の方針に関しては、運営メンバー全員がすごくこだわっています。
 また、読者が理解しやすいように、リスクをとってでも深掘りする、突っ込んでいくことも意識しています。読者の疑問に対して応えるには、しっかりと取材しなくてはなりません。なんとなく専門用語を並べてどっち付かずの記事を書くのが楽で簡単ですが、僕らはもう一歩踏み込んで「本当にその金融商品を買っても大丈夫なのか? 得なのか? リスクは何なんだ?」についてはっきり答えを出すべきだと思っています。
 このような僕らがこだわっている「ザイオンライン」のカラーを守るために、少数精鋭にならざるを得ないし、その方が結果的に良いと思っています。
CA手塚:今後も御社が優良なコンテンツを作り、検索エンジンがそれに応じて自然とユーザーを流入させてくれる良い流れができている中で、当社は代理店として、今後は既存のアフィリエイトのモデルだけでなく、そういったクオリティの高い記事に対して最適に評価をし、正当な単価が支払われるような仕組みを作っていきたいと思っています。

浜辺氏:是非お願いします。最終的に、ユーザーにとって興味のない広告を見せられるのではなく、興味に沿ったコンテンツやサービスが提示されて広告主サイトに進む。その結果、なんとなくではなく記事をしっかり読んだユーザーが優良なお客さんになるという、ユーザーにとっても広告主企業にとっても良い流れ作るべきだと思っています。
 我々は、自分たちのコンテンツ制作能力を使って、広告主が優良なユーザーを獲得するために自分たちが貢献できることを、1つずつ丁寧に考えて作ってきました。それを、広告主に上手く使っていただくのが望みです。広告主から見た時に「コンテンツマーケティングの新しいプラットフォーム」になりたいのです。そのためには、その間を繋ぐ技術が必要なので、サイバーエージェントさんには期待しています。

CA手塚:はい。アフィリエイト広告において、今より新しく本質的なサービスのご提案ができるよう、積極的に取り組んでいきたいと思っています。

浜辺氏:是非お願いします。本当に良いユーザーを獲得するためには、僕らの記事がもっと役立てると思っていますので、活用していただきたいです。広告主が優良なユーザーを多く獲得できるということは、リスクをきちんと理解して、かつある程度大きなお金を運用したい、やる気のあるユーザーが増えるということ。それは日本のマーケットが良くなることに繋がります。僕らにとっても嬉しいことなので今後も一緒にやっていきたいですね。

浜辺 雅士(はまべ まさし) 氏

株式会社ダイヤモンド社 雑誌編集局 局次長 兼 『ザイオンライン』編集長 兼 株式会社ダイヤモンド・フィナンシャル・リサーチ常務取締役WEB編集部プロデューサー

1984年マガジンハウス『ダカーポ』編集部で雑誌編集アシスタント。1990年婦人生活社に入社。シリーズ100万部超のベストセラー『あたし天使あなた悪魔』『ママはポヨポヨザウルスがお好き』をプロデュース、「育児漫画の旗手」と言われる。 1994年ダイヤモンド社で『ダイヤモンドタイプ』創刊。2000年3月「誰もがフェアに金融市場にアクセスできる“金融の民主化”を実現する新メディア」を旗印に『ダイヤモンド・ザイ』を中核メンバーとして創刊。創刊第1号から日本のマネー誌の販売部数トップに。02年4月より『ダイヤモンド・ザイ』編集長。『ダイヤモンド「株」データブック』編集長、『ダイヤモンド・マネー』編集長、web編集部編集長、『ザイFX!』編集長などを歴任し現職。日本最大の個人投資家向け雑誌『ザイ』及びその金融サイト『ザイオンライン』『ザイFX!』の総元締め(ゼネラルマネジャー)。

手塚 太一(てづか たいち)

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部 アフィリエイト局 局長

2012年、サイバーエージェントへ入社。インターネット広告事業本部にて、金融、人材系広告主の営業に従事。2013年よりアフィリエイト局にて、金融、美容系広告主を中心にアフィリエイト広告のコンサルティング業務を担当。2014年にマネージャー、2015年より局長に就任し、アフィリエイト広告商品のコンサルタント兼セールス組織の責任者を務める。

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