2016/2/19 Fri

インフィード広告クリエイティブの現状とこれから(1)

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岩城 真人

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
クリエイティブソリューション局 クリエイティブプランナー

2007年、株式会社サイバーエージェントへ入社。ソーシャルメディアマーケティングに専門特化した株式会社サイバー・バズへ出向。ブログ、SNSを軸に最先端のWebプロモーション手法を活用し、大手電機メーカー、大手化粧品メーカー、大手ファーストフード企業のコミュニケーション・メディア・PR・クリエイティブプランニングの実行に従事。その後、サイバーエージェントにて、Facebook広告の運用コンサルタントに従事し、2015年よりインフィードに特化したクリエイティブグループの立ち上げを行う。

なぜインフィード広告においてクリエイティブが重要なのか?どう向き合えば良いのか?

ここ1~2年で一気に熱が高まったインフィード広告市場。黎明期からさらなる成長期へと移行する中で日増しに高まる「クリエイティブの重要性」。なぜ今クリエイティブの重要性が問われているのでしょうか?
本コラムでは、広告フォーマットのトレンドがインフィードに移り変わった背景や、インフィード広告がもたらした運用型広告の変化について触れつつ、クリエイティブの最適なPDCAの回し方、今後大きく変わっていくであろうクリエイティブを取り巻く環境の変化について、3年近くインフィード広告に携わっている岩城よりお伝えします。

インフィード広告誕生の背景とその価値

インフィード広告が誕生したきっかけは大きく2つあり、1つは「バナーブラインドネス」というインターネット広告における課題、もう1つはSNSなどを中心としたコミュニケーションサービスの流行とUIの確立にあります。
まず、「バナーブラインドネス」は、ユーザーが無意識に「広告的なもの」を見ないようにする現象のことです。某ポータルサイトの平均CTRの推移は、10年前の2割にまで低下しており、プロモーション効果の低下が課題視されていました。それは広告の主戦場がスマホに移っても同じで、旧来のディスプレイ広告の延長でもある固定枠やオーバーレイ枠では広告はユーザーに視認されにくい状態でした。そこで広告掲載面に広告を自然に溶け込ませることで、“ユーザーにコンテンツの一部として見てもらう”ことを目的とした広告が次々に登場し注目され始めました。
また同時に、スマホの可処分時間における内訳が大きくなってきたTwitterやFacebookなどのソーシャルメディアは、タイムライン・フィード型のUIになっており、コンテンツは上から下へ消化されるのがトレンドになりました。その後、Yahoo! JAPANなどの主要なメディアもTOPページをインフィード型にリニューアルし、インフィード広告を導入。その広告在庫の規模の大きさからインフィード広告がさらに注目されました。2015年のインフィード広告市場は、昨対比2倍の768億円に到達し、2020年には2,500億弱になると予想されています。(※)
これらの背景が、現在インフィード広告が最盛期を迎えている要因です。

スマホと通信インフラが変えたクリエイティブのリッチ化

Web広告の主戦場がスマホに変わったことや通信インフラの向上により、クリエイティブの表現力が大変豊かになりました。
2011年のガラケー時代から2013年のスマホ移行期、2015年のインフィード広告最盛期のバナー容量を比較すると以下のようになります。
バナー容量は、2年ごとに10倍以上アップしており、4年間で比較すると100倍以上になりました。Facebookでは高い画像処理技術で、容量を気にせず入稿・配信できるようにもなっています。
このように配信できるクリエイティブの質が高まり、クリエイターの表現力をそのまま画面上に表示させる事ができるようになったのも、クリエイティブが与える影響が大きくなってきている要因ではないでしょうか。

ユーザーの利便性と媒体の収益性を高めたCPC<CTRの構図

広告の視認性が高まったことでユーザーのクリック率は増加傾向にあります。Yahoo! JAPANでは、旧フォーマットの時と比較して、CTRが2.2倍改善されたというデータもあります。とにかくインフィード広告はユーザーの目に止まりやすく、反応もされやすい。そうなるとどういう変化が起こるのでしょうか?
媒体の在庫価値はeCPMで決まり、eCPMはCPC×CTRで算出されます。これまでは運用側から見るとCTRの低い広告は入札を上げて、eCPMを上げれば配信は出るという運用のレバーがありました。ただ、媒体側から見ると、いくら入札を高く張ってくれていたとしてもユーザーが反応しない、すなわちCTRの低い広告をずっと配信しているのはユーザーの離脱を招きかねないので、入札が高いクリエイティブよりもCTRの高いクリエイティブを配信している方がユーザーの利便性、媒体の収益面から見てメリットがあります。
Facebookにおいては、広告配信開始後の数百impsで広告が評価され、評価の低い広告はその後ほぼ配信が出ないという現象が起きます。逆に初速でCTRの高い広告が見つかれば、それはユーザーに受け入れられたものとしてどんどん配信が伸びていく傾向にあります。
このように、これまで以上にCTRの重要性が高くなっており、そのCTRを決めるのはほぼクリエイティブであると言えます。インフィード広告においてはユーザーファーストのエコシステムが機能していると言えるでしょう。

クリエイティブ至上主義がもたらした運用の変化、配信の波

私は元々Facebook広告の運用コンサルタント業務を担当していましたが、その際に身を持って感じたのが「とにかくクリエイティブが全て」という感覚です。もちろんキャンペーン設計や入札など、従来の運用変数はある程度必要になってくるものの、“クリエイティブが当たった時”の極端なまでの配信の伸びは驚異的でした。前日まで数万程度の配信だったアカウントが、ヒットクリエイティブが見つかった途端に数十倍に伸びたこともありました。ユーザーに受け入れられた広告が制作・配信できた時は、媒体の広告配信システムがその広告に在庫を大きく割り当ててくれました。
一方で、インプレッションが出れば出るほど、広告の疲弊スピードが速くなるのもインフィード広告の特徴です。この良い波をいかに高次元で維持し続けるか、高品質なクリエイティブを制作し続けるかがインフィード広告を攻略する上で肝となります。

広告主、コンサル、営業、制作スタッフ全員がクリエイティブに対する意識改革を

これまでに述べたように、様々な環境の変化がこれまでにないほどクリエイティブに頼らざる負えない状況を作り出しています。運用はコンサルタントが、制作は制作スタッフが、予算管理は営業が、というようにそれぞれの役割を全うしておけば効果が出る、という運用スタイルは通用しなくなってきています。全員がそれぞれの立場からクリエイティブについて考えを持ち、意見をぶつけ合い、最適な解を導き出していくことが非常に重要になってきています。その変化に対していち早く適応できた企業、チームがインフィード広告を攻略し始めていると感じています。

次回は、このような特徴を持つインフィード広告のクリエイティブにおける具体的な運用の仕方、PDCAの回し方について述べたいと思います。
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