2016/3/15 Tue

インフィード広告クリエイティブの現状とこれから(2)

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岩城 真人

株式会社サイバーエージェント インターネット広告事業本部
クリエイティブソリューション局 クリエイティブプランナー

2007年、株式会社サイバーエージェントへ入社。ソーシャルメディアマーケティングに専門特化した株式会社サイバー・バズへ出向。ブログ、SNSを軸に最先端のWebプロモーション手法を活用し、大手電機メーカー、大手化粧品メーカー、大手ファーストフード企業のコミュニケーション・メディア・PR・クリエイティブプランニングの実行に従事。その後、サイバーエージェントにて、Facebook広告の運用コンサルタントに従事し、2015年よりインフィードに特化したクリエイティブグループの立ち上げを行う。

インフィード広告におけるクリエイティブの最適なPDCAサイクルとは?

第一回目のコラムでは、広告フォーマットのトレンドがインフィードに移り変わった背景や、それらがもたらした広告運用の変化について触れました。
今回のコラムではインフィード広告のクリエイティブの運用方法について述べたいと思います。

広告のインフィード化がもたらした3つの新たな事象

クリエイティブの運用方法について述べる前に、広告フォーマットがインフィード化することで起きた3つの事象についてご説明します。


1. 配信(インプレッション)が出ない、または出づらいことが多くなった

インフィード広告はコンテンツとコンテンツの間に広告が挟まれるため、広告の視認性が高く、何十万インプレッションと広告を表示させずとも、その広告に対するユーザーの反応や評価(≒CTR)が即座に判断できるようになりました。そのため、反応の悪い広告や品質の低い広告ばかりを制作して配信していると、そもそも配信が出なかったり、思うようにインプレッションが伸びないことがあります。
例えばWeb上での商品購入を目的とした広告主が、購入率(CVR)ばかりを気にした、フィードに馴染まないクリエイティブを制作していると、ユーザーから毛嫌いされてしまい広告の評価が下がり、配信が出ないという事態を招きます。
前回のコラムでもお伝えしたように、CTRにより重きが置かれるインフィード広告では、しっかりとユーザーに受け入れてもらえる広告を作らなければ、接触すらできない事態に陥ってしまいます。


2. クリエイティブの疲弊が早い

インフィード広告は視認性が高い分、広告自体の認知スピードは速くなり、何度も表示されるうちにどんどんクリックされなくなり、早々に広告の品質は下がってしまいます。また弊社の調査では、Facebookにおいてはユーザーからの広告へのネガティブフィードバック(非表示など)は接触回数に比例して高まる傾向が見られました。
逆にCTRの高い広告が見つかっても、極端なまでにその広告に配信が寄る傾向も見られるため、いずれにせよクリエイティブの疲弊は早くなってしまいます。


3. 傾向が掴みにくい

1や2の特徴があるため、これまでのように「十分なデータを溜めて分析する」といった形や「特定の期間内でAB検証を繰り返して随時ブラッシュアップしていく」といった形がはまりづらく、結果重視の運用になりがちで、中々体系立てて傾向を掴んだり勝ちパターンを見つける事が難しくなりました。
また配信するニュースやコンテンツの最適化技術の進歩によって、フィード面は個人の趣味嗜好によって全く異なる面になったり、その時々のニュースやトレンドに影響されやすくなったりすることも関係があると考えます。

これらの傾向があるインフィード広告では、インフィード用のクリエイティブ運用方法があります。


ポイントを端的に言うと、
①クリエイティブが最速で適正に「評価される環境を整えてあげる」こと
②できるだけ正確な傾向を掴むために「クリエイティブ要素の分解・結合」を行うこと


このポイントを「プランニング」「オペレーション」「クリエイション」の3ステップと合わせてご説明していきます。

STEP1:プランニング

いわゆるクリエイティブの初期設計ですが、「誰に」向けて「何を」作るかだけでなく、配信されたものを「どの粒度」で「どのタイミングで評価」するかなどもプランニング時に重要となってきます。
なぜならクリエイティブの変数(≒CTR)が重要となってきているインフィード広告において、効果の良いものをいち早く発見することが成果への近道になるからです。「どの粒度でキャンペーンを設計すれば広告配信プログラムがいち早く品質を評価してくれるか?」「細かくなり過ぎていてデータが溜まらず品質が一向に付かない設計になっていないか?」などを運用コンサルタントと一緒に考えながら、広告を配信するオーディエンスについて考えなければなりません。
また、あれこれとアイデアを広げ過ぎて効果が見づらい状況になってしまうと改善スピードも遅くなるため、インフィード広告の傾向をしっかりと掴みつつ、顧客の特性に合わせた確実性の高いクリエイティブに優先順位を付けて制作していく必要があります。

STEP2:クリエイション

インフィード広告においては面の特性を理解した上でのクリエイションが必要となります。
「インフィード面でCTRの高くなりやすい画像表現は何か?」
「CVに繋がるテキスト表現は何か?」
などを過去の実績などから導き出し、初速から効果の見込めるクリエイティブを作っていきます。
もちろんリターゲティング配信とノンターゲティング配信でも制作時のポイントは異なります。例えば健康食品の場合、リターゲティングユーザーであれば「悩み」や「効果」にフォーカスした方が効果は良くなりますが、ノンターゲティングの場合はフィード面の特性に合わせた「トレンド・話題感」や「使用した後の感情(優越感など)」を盛り込んだ方が効果が良くなります。これらの傾向を踏まえた上で制作する事が重要です。

STEP3:オペレーション

プランニングして制作して納品すれば終了ではありません。
インフィード広告は配信を開始してから「クリエイティブを運用する」ことが非常に重要となるため、予めプランニング時に決めた「いつ効果の良し悪しを判断して」「いつ停止して」「いつ開始するか」などのオペレーションを組んで回しきって初めて成果に繋がります。
さらにそれらのオペレーションルールは随時見直しをかけ、判断タイミングや制作軸の精度を上げていくということも重要になります。

これら3つのステップを個に頼らず、組織として取り組んでいくことが重要です。加えて、クリエイティブ要素の分解・結合を行い、様々な視点で効果を追っていくことで傾向をより掴みやすくなります。

PDCA例:タグ検証によるマクロ視点とミクロ視点の分析

タグ分析とは、以下の図のように一つのクリエイティブを様々な要素に分解をしてタグを付与して管理し、共通のタグごとに集計し直し分析する方法です。
タグ分析を行う時には事前の設計が非常に重要になってきます。
画像においてはその画像が何を表現しているか?テキストにおいてはそのテキストが何を訴求しているのか?というのを全て言語化し、管理していきます。また最少粒度のタグ設計では傾向を掴みづらいため、タグ自体も階層を分けて管理し、即座に傾向を掴めるようにすることが重要です。
タグ検証の導入メリットは大枠で傾向を掴み確実なブラッシュアップができるという点はもちろんですが、感覚的になりがちだったクリエイティブの表現方法について、チームメンバーやクライアントと共通言語化ができるようになり、スピーディーでブレのないコミュニケーションが実現できるという副次的な効果もあります。
以上がインフィード広告においてクリエイティブを運用していく際に踏むべき重要なステップと効果的な分析手法の一例です。
もちろんこれらの運用方法がベストというわけではないですし、一度設計すれば後は回すだけという単純なものではありません。配信規模や目的によっても運用方法は異なってきます。日々傾向が変わることを前提として、運用方法を随時見直し変化に対応していくことが重要です。
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